はじめに
「何を、どの順番で使えばいい?」に答える、国語の実力を育てるロードマップです。
方針はシンプルに、読み方 → 解き方/記述の書き方 → 語彙の質と量アップ。
まずは全体の使い分け(早見表)
| 目的 | おすすめ | 一言でいうと | 所要の目安 |
|---|---|---|---|
| 物語文の“読み方の型”を作る | 合格する国語の授業 物語文 入門編 | 場面・転機・心情の因果で読む | 1回30–40分×10–15回 |
| 説明・論説の“読み方の型”を作る | 合格する国語の授業 説明文・論説文 入門編 | 要旨・対比・因果・言い換えを見える化 | 1回30–40分×10–15回 |
| 設問対応の精度を底上げ | 文章読解の鉄則(中級) | 選択/抜き出し/記述の手順を定型化 | 1回40–60分×15–20回 |
| 語彙の“質”(深い理解)を強化 | 感情語&パターン編/テーマ編 | 心情語・抽象概念を状況込みで理解 | 1回15–20分×継続 |
| 語彙の“量”(網羅)を強化 | 必須語彙2800 | 入試語彙を広く反復 | 1回10–15分×継続 |
入門(型づくり)
1. 合格する国語の授業 物語文 入門編
[product=9784788919693]
こんな子に
- 気持ちは言えるが、理由を本文で説明するのが苦手
- 場面の切れ目や“転機”の捉え方が曖昧
ここが効く
- |(場面)・⚑(転機)・★(心情)など最低限のマークで因果を可視化
- 記述は「転機でXに気づき→YしたためZ」の型で安定
回し方
- 本文精読→設問
- 根拠の行番号を書き出す
- **1行要約(以前→出来事→気づき→変化)**で締め
2. 合格する国語の授業 説明文・論説文 入門編
[product=9784788919709]
こんな子に
- 要点をまとめるのが苦手/抽象語の理解が浅い
- 指示語・言い換えの取りこぼしが多い
ここが効く
- 段落要点→**要旨テンプレ(80–120字)**で構造を掴む
- 「定義→展開→課題」の骨組みで論旨の道筋が分かる
回し方
- 段落ごと10字メモ→最後に要旨化
- 解く前に欄外へ**範囲(L●–●)・形式(抜/言/記)・条件(字数/指定語)**を書く
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中級(設問対応の精度)
3. 文章読解の鉄則(増補改訂版)
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こんな子に
- ケアレスが多い/正誤の理由が説明できない
- 選択肢の“良さそう”に吸われがち
ここが効く
- 罠パターン(極端語・主語差し替え・言い換えズレ)の見抜き方
- 記述は「結論→根拠(行)→だから/結果」で採点しやすい骨組み
回し方
- 各大問で**「不正解の理由を1行化」**→ミスノート
- 「指示語/対比/因果…」のタグで横断復習
語彙(質を深く)
4. 合格する国語の授業 物語文 入門編
得点アップ よく出る感情語&パターン編
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ねらい
- 似た心情語の差を、状況と因果で使い分け
ここが効く
- 「戸惑い/逡巡/躊躇」などニュアンスの差を事例で定着
- 本文の出来事→心情変化を語彙で言い切る訓練
回し方
- 長文の前に3語、後に3語を運用(自作例文を必ず1行)
5. 合格する国語の授業 説明文・論説文 入門編
得点アップ よく出るテーマ編
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ねらい
- **抽象概念(多様性/公正/自由/効率…)**の定義と言い換えを獲得
ここが効く
- 「主張→反論→再主張」の筋をトピック別に練習
- 言い換えペアを箇条書きでストックできる
回し方
- 読解前に定義を一文化→本文の言い換えを箇条書きで補強
語彙(量を広く)
6. 中学受験国語の必須語彙2800
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ねらい
- 入試頻出語を網羅×反復で底上げ
ここが効く
- 品詞・意味・用例が整理され回しやすい構成
- 社会・科学・心理などテーマ別の網羅性
回し方
- 1セット10–15語:音読→意味→対義/同義→自作例文
- Anki等で“毎日少量×反復”
最短の組み合わせモデル
- 入門2冊で「物語⇄説明」の読み方の型を同時並走
- 鉄則で、選択/抜き出し/記述の手順と精度を固める
- 長文演習の**前=質(感情語/テーマ)/後=量(2800)**で語彙を積む
- すべての記述で**行番号メモ(L●–●)**を習慣化
使い方テンプレ(コピペ可)
- ☐ 本文の骨組みを書いた(物語=出来事→心情、論説=定義→主張)
- ☐ 設問の範囲・形式・条件を欄外に明記
- ☐ 記述の結論→根拠(L●–●)→だからを埋めた
- ☐ 心情語/抽象語を本文語で言い換えた
- ☐ 語彙:新出5〜10語を対義/同義+自作例文で登録
よくある質問(FAQ)
Q. 入門と鉄則、どちらを先に?
A. 原則入門→鉄則。ただし設問の読み違いが多い場合は鉄則を先行してもOK。
Q. 語彙は質と量どっちが先?
A. 質→量。抽象語や心情語の理解が浅いと、量だけ増やしても得点化しにくいです。
Q. すでに長文演習を回している場合?
A. 間違いを語彙(質/量)・指示語・対比・因果・設問条件でタグ化→該当本の該当章に逆戻りが最短です。
この記事の使い方(保護者向け)
- 本の章をToDo化してノート冒頭にチェック欄を作る
- 正答だけでなく根拠の行番号を書かせる
- 誤答は理由を1行で可視化(例:指示語の射程ミス)→次回の着眼点に
まとめ
- 入門2冊=読み方の型
- 鉄則=設問精度
- 語彙(質+量)=理解の深さと網羅
この順番で回すと、国語は「センス」ではなく再現可能な技術になります。

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