はじめに(結論)
評論は**本文の外にある“前提知識”**がないと読みほどけません。
環境・AI・経済・倫理・言語…頻出テーマの最初の1冊を先に読み、定義→主張→根拠→留意点の“型”で整理しておく――これが設問精度と記述の説得力を底上げする最短ルートです。
このリストの使い方
- 苦手テーマから読み物→図解/整理の順で各1冊。
- 読みながら「定義/言い換え/立場(誰の視点?)」を欄外メモ。
- 読了後に80〜120字要約と言い換え3ペアをノート化。
1) 生物・動物行動
ねらい:観察→仮説→検証の筋/擬人化を避けた説明/具体例→一般化。
おすすめ
- 読み物:『僕には鳥の言葉がわかる(鈴木俊貴)』
[product=9784093891844] - 図解/整理:『図鑑にものっていない!? 動物のおもしろびっくり行動100』
[product=9784041139271]
読み方のコツ:O→H→T(Observation→Hypothesis→Test)を欄外に明記。
記述の骨組み:結論(行動の目的)→根拠(条件/環境・L●–●)→だから(効果)。
[blogcard url=”/article/bird-language-book-review”]
2) 環境・気候・資源
ねらい:課題→原因→対策→効果(P→G→T→E)で本文構造を掴む。
おすすめ
- 読み物:『2050年の地球を予測する 科学でわかる環境の未来』
[product=9784480684189] - 図解/整理:『地球環境問題がよくわかる本』
[product=9784274230011]
コツ:グラフは軸→最大/最小→変化点→凡例を先読み。
[blogcard url=”/article/2050-earth-environment-for-exam”]
3) 科学技術・AI
ねらい:定義→利点→課題→条件で比較検討。
おすすめ
- 児童向け導入:『絵でわかる10才からのAI入門』
[product=9784910680002] - 仕組み理解:『はじめての機械学習(ブルーバックス)』
[product=9784065239605]
コツ:「誰の立場(開発者/利用者/社会)」で主張を色分け。
4) 言語・コミュニケーション・メディア
ねらい:言い換え・レトリック・情報の信頼性。
おすすめ
- 思考の土台:『言葉の品格』
[product=9784334962258] - 視覚化:『目でみることばのずかん』
[product=9784487810000]
コツ:抽象語に□、具体例に○、対比に↔で“見える化”。
5) 哲学・倫理(自由・公正・多様性・幸福)
ねらい:抽象概念の定義→具体化、反論→再主張の筋。
おすすめ
- 対話型:『こども哲学図鑑』
[product=9784251095558] - 体系入門:『よくわかる 倫理』
[product=9784053036827]
コツ:まず定義を一文で書き、本文の具体例と対応づけ。
6) 社会・経済・働き方
ねらい:因果と相関の区別、ステークホルダー別視点。
おすすめ
- 全体像:『13歳からの経済のしくみ・ことば図鑑(新版)』
[product=9784866214849] - コンパクト整理:『図解 90分でわかる経済のしくみ』
[product=9784799322468]
コツ:「誰の得か?」を段落ごとに欄外メモ。
7) 歴史・文化
ねらい:具体例→一般化、評価語(継承・独自性・共同性)。
おすすめ
- 概論:『日本の文化(岩波ジュニア新書)』
[product=9784005004096] - 視点を広げる:『日本の伝統文化を知る絵本【全14巻】』
[product=9784751532478]
コツ:昔↔今の対比軸を先に設定してから本文へ。
8) 防災・災害・リスク
ねらい:データ読解、状況→判断→行動の論理。
おすすめ
- 総覧図鑑:『災害・防災図鑑 すべての災害から命を守る』
[product=9784799900048] - 教材系:『教育現場の防災読本』
[product=9784814001651]
コツ:提案文は状況条件(場所・時間・対象)を主語直後に置く。
9) 心理・脳科学・学び
ねらい:定義・メカニズム・例示、因果の多段(A→B→C)。
おすすめ
- 脳×心の導入:『イラスト図解 脳とココロのしくみ超入門』
[product=9784023333406] - 概説:『心理学・入門――心理学はこんなに面白い(改訂版)』
[product=9784641221383]
コツ:比喩は言い換えで抽象語を置き換えてから設問へ。
10) スポーツ・身体・健康
ねらい:目的→方法→効果の三段、比較・対比。
おすすめ
- 科学的視点:『スポーツ科学の教科書(岩波ジュニア新書)』
[product=9784005007028] - 図解:『からだのしくみ図鑑(めくって学べる)』
[product=9784052052569]
コツ:方法には**条件(頻度・時間・対象)**を必ず添える。
11) 異文化・国際理解
ねらい:視点の違い、価値観の前提、具体例の一般化。
おすすめ
- 入口に:『こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本』
[product=9784862555618] - 背景理解:『【改訂新版】多文化共生のためのテキストブック』
[product=9784750359779]
コツ:「自国↔他国」の前提語を2列で対比メモ。
評論の読み方テンプレ(配点直結)
A. 設問分解(先読み30秒)
- 指定語/範囲(L●–●)/形式(抜・言・記)/条件(字数)を欄外に四角でメモ。
B. 本文の“型”取り(読中)
- **定義□/主張☆/根拠→(行番号)/留意点△**を最小マーキング。
- 段落ごと10字要点→最後に80〜120字要旨。
C. 記述の骨組み(書く前10秒)
- 結論→根拠(L●–●)→だから/結果 の順で下書き→字数調整。
- 抜き出しは不要語削除&文として自然かを確認。
読後ワーク(得点化の3点セット)
- 80〜120字要約:主題/課題/根拠/主張。
- 言い換え3ペア:抽象語⇄自分の具体語(例:公正=同条件・機会均等)。
- 立場チェック:筆者/利用者/社会/将来世代——誰の視点か。
チェックリスト(コピペ可)
- ☐ 苦手テーマから「最初の1冊」を決めた
- ☐ 同テーマで読み物+図解をそろえた
- ☐ 読みながら定義・主張・根拠をマーキングした
- ☐ 読後に要約+言い換え3ペアを作った
- ☐ 次に読むテーマを1つ決めた(多読より回転)
まとめ
背景知識を先に入れる → 型で読む → 根拠で書く。
この順番にすると、評論は“初見でも迷わない”状態に近づきます。
次回は物語編(親子・友情・自立・自然など)を同じフォーマットで用意します。

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