淡路島で盛んな農業形態は?タマネギ・レタス・カーネーションから学ぶ

問題文

淡路島は全国的にも有名なタマネギの生産のほか、レタスやカーネーションの栽培が盛んな地域です。
この島で行われている農業の形態として、最も適切なものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。

ア. 高冷地農業  
イ. 都市農業
ウ. 近郊農業
エ. 混合農業

出典:2024年 青山学院中等部 社会

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解答

ウ. 近郊農業


解説

1. 各選択肢の特徴

  • ア. 高冷地農業
    標高の高い冷涼な気候を利用してレタスや高原野菜などを栽培する農業形態。長野県や北海道の山岳地帯など、標高が800m以上の地域で盛んに行われる。
  • イ. 都市農業
    都市域やそのすぐ近くで行われる、小規模かつ消費地に密着した農業。家庭菜園やビル屋上の農園、ベランダ菜園などを含むことが多い。
  • ウ. 近郊農業
    大都市の周辺部で、大量の都市住民や市場に向けて野菜や花き、果樹を集中的に生産・出荷する農業。都市へのアクセスが良く、鮮度重視の野菜栽培が主力。
  • エ. 混合農業
    作物栽培と牧畜(家畜飼育)を組み合わせた農業形態。ヨーロッパや北海道の酪農地帯などが典型例。

2. 淡路島の地理的・経済的条件

  • 立地:淡路島は大阪湾と播磨灘に挟まれた位置にあり、大阪・神戸といった大都市圏に近い離島。
  • 交通アクセス:明石海峡大橋の開通により車で都市圏へ1時間ほどでアクセス可能。
  • 市場の近さ:関西大都市圏の大規模市場(中央卸売市場など)への出荷ルートが確立しており、鮮度が求められるタマネギやレタス、花き(カーネーション)に適した供給体制が整っている。

3. なぜ「近郊農業」なのか?

  1. 消費地との距離が近い
    淡路島の生産物は出荷から数時間以内に大都市へ届くため、鮮度を生かした野菜・花き栽培に適しています。
  2. 専門的・集約的生産
    タマネギやレタスは大規模に栽培・出荷され、全国シェアも高い。混合的に家畜と組み合わせるケースは少なく、都市近郊型の「単一作物特化型」農業です。
  3. 都市圏の需要を背景とした経営
    都市部の消費動向に合わせた品目選定や出荷調整、加工品開発など、需要対応型のビジネスが行われています。

4. 他の選択肢が当てはまらない理由

  • 高冷地農業:島全体が標高数百メートル以下で、冷涼地向け野菜は限られる。
  • 都市農業:淡路島は市街地ではなく、離島に属するため「都市域での小規模栽培」には当てはまらない。
  • 混合農業:肉用牛や酪農はあるものの、淡路島全体の農業の中心はタマネギ・レタス・カーネーションなどの花き栽培であり、作物と牧畜の併用が主目的ではない。

まとめ

淡路島は大阪・神戸などの大都市圏に近い離島であり、鮮度が重視されるタマネギやレタス、花きの集約的・専門的な生産が行われているため、最も適切な農業形態は ウ. 近郊農業 です。


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