共同海損と単独海損の違い

共同海損とは

船舶が航海中に座礁・衝突・火災などの危険な海難事故にあった際、船舶だけでなく、積載された貨物も同様に危険な状態にある。

このような時、船長の判断で緊急処置をとる事がある。

例えば、座礁した船舶を浮かせるために貨物の一部を海に投げ捨てる、救助船を呼ぶなどがある。

このような緊急処置により、「物の損害」や「費用の支出」が発生する可能性がある。これらが船舶と貨物の「共同の危険からの脱出」を目的とし発生した場合、無事に助かった船舶と貨物で共同して負担する考え方のもとできた制度を「共同海損」と呼ぶ。

単独海損

これまで見てきた共同海損とは異なり、他の貨物に関係なく、貨物もしくは本船に単独で損害が発生する場合は単独海損(Paricular Averave)という。

英語では?

共同海損:General Average、G.A.と呼ばれます。

単独海損:Paricular Averave

中国語では?

共同海損:共同海损 gòngtóng hǎisǔn

単独海損:单独海损 dān dú hǎi sǔn

共同海損分担額:共同海损分摊 gòng tóng hǎi sǔn fēn tān

共同海損が起きたら?

共同の危険にさらされた状態から脱出するため、船長の判断による緊急処置の結果、損害や費用が発生した場合、船会社は「共同海損の宣言」を行います。

共同海損の宣言とは?

いつ、どこで、どのような事故が起きたかとともに、共同海損を宣言する手紙を船会社から荷主に送られることで行われる。

この宣言とともに、船会社は「共同海損精算人」を指名し、共同海損による精算が必要な費用と、負担の分配を計算し、「共同海損精算書」を作成する。(事故の規模などにより、この手続きは数年間かかることもあるようです。)

この共同海損精算書には荷主が支払うべき共同海損分担金が記載されております。

海上保険を付保している荷主は保険会社が分担金を支払い、共同海損の処理は完了します。

共同海損発生に伴う書類

貨物の受け取りのため、保険会社のGeneral Average Guarantee(共同海損分担保証状)の提出を要求される事が多い。まずは保険会社へ連絡し、発行をお願いしましょう。

また、下記書類も共同海損発生に伴い必要となるケースがあります。

・Average Bond (共同海損盟約書)

荷主が共同海損に同意することを記した書類。船会社から荷主に送られてくる書式に、貨物の明細を記し、サインの上返送。

・Valuation Form (価額申告書)

荷主が貨物の価額を申告する書類。共同海損の分担額は船舶と貨物の価額を基に算出するため、船会社から荷主に送られる書式に貨物の価額を記入してサインの上返送。

・Letter of Guarantee(保険会社の保証状)

荷主が支払共同海損分担金を保険会社が代わりに支払うことを船会社に対して約束する書類。

INVOICEやB/Lが求められるケースもあります。

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貿易実務の事がわかりやすくまとめられています。

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